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音は見えないが、空気を震わせて存在する。
その振動は空間を満たし、身体を取り抜け、心の奥へ届く。
私は「もし音に重力があったなら」と言う仮説から、空気を媒介に生まれる音の力を形にしている。耳の奥で閉じるのではなく空気を通して”聴く”ということ。それは世界と自分がつながる感覚でもある。音が空間を震わせる瞬間、私たちは生きているという確かな気配に触れる。
本作が、その静かな実感を思い出すきっかけとなれば幸いです。
濱口直巳は、ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート彫刻科を2002年に卒業。音と空間の関係を探るインスタレーションを中心に制作している。展示空間の響きや光に呼応して形を変える作品は、特別な黒を施した“音のかたち“を素材とし、楽器を奏でるように即興で設営される。
これまでの主な個展に「濱口直己展」(ギャラリー創/札幌/2020)、「音景 no.7 APMOAの場合」(愛知県立美術館/2014)、「音景 no.6-Bienioの場合」(名古屋/2012)などがある。また、「イマジネーションスーパーハイウェイ」(京都芸術センター/2014)、「六甲ミーツ・アート芸術散歩2011」(神戸/2011)などでも作品を発表している。