
2025.05 .23 (金) - 07.06 (日)
オープニングレセプション
05.23 (金) 17:00 -
キカ・コンテンポラリー・アート・スペース(KIKA cas) では、「KIKA collection vol.02 - 空気体」を開催いたします。
『1990年以降の現代美術は、グローバリゼーションの他の流れと合わさって、社会生活のなかで出会うさまざまな視覚的イメージとの相互浸透をくりかえし、それ以前の美術とは異なるものに変容し、イヴ・ミショーの表現によれば 、気化して「ガス状」のものとなって、地球上にあまねくただよっているのである [*] 』
【小倉正史著作選集『現代アートはどこへ行く?』/ 2022 / 水声社】
[*] L'Art à l'état gazeux : essai sur le triomphe de l'esthétique, 2003"
アントワネット・ナウシカは、富士山周辺で撮影した葦の写真を通じて、都市と自然のあいだに潜む静かな調和の気配に目を向けています。岩井優のパネル作品は、「きれい」や「きたない」といった価値判断をさまざまな対象に機械的に結びつけることによって、わたしたちの社会に無意識に内在する分類の構造を浮かび上がらせるでしょう。
加工した金属板で熱を感熱紙に転写した林國威(リン・コウウェイ)のプリントは、目に見えない熱や空気の流れと、そこに含まれる流動のプロセスを捉えようとしています。
自ら製本した書物を自作のナイフで解体し、空間へと展開することによってアン・オンヘナは、本というメディアの構造と、その裏側に広がる想像の風景に光を当てます。
キプロスで14世紀に人気のあった観光用の大皿の図版に着想を得た石井潤一郎の作品が、現代における分断と共生を象徴する一方で、オートマティズム的な手法によって制作される太田恵以の絵画は、わたしたちの社会の分断を、想像力によって抽象化してゆくかもしれません。物質の状態が移り変わるなかにかすかな痕跡が残されていくように、感覚と構造のあいだに立ち現れる現代アートの諸相を、本展では「空気体」としてとらえ、さまざまな視点から観察します。